リレーコラム

2026.02.10

貿易取引に関係する保険について

 海外と取引する場合の保険には、輸送中の貨物に対する危険(リスク)に備える貨物海上保険、取引相手国の不可抗力的な事由や買主の資金繰り悪化などから回収不能となるリスク、あるいは海外投資した事業の継続が不能となるリスクに備える貿易保険、及び製造物に対する賠償責任をカバーするPL保険があります。

貨物海上保険は、貿易取引における貨物が船舶、航空機で輸送されている間に、不測の事故(火災、沈没、損傷、盗難など)によって損害を被った場合に対応した保険であり、全ての貿易取引において必須で、戦争、ストライキの危険にも対応しており、損害保険会社が扱っています。

保険期間は、貨物が輸出者の倉庫から輸送車両に積み込まれるために、最初に動かされた時から輸入者の倉庫において荷卸しが完了した時までです。

貿易保険は、貨物の破損など貨物海上保険でカバーされる危険とは異なり、貿易取引や海外投資、海外融資など対外取引上のリスクを填補します。填補対象は、為替制限や戦争など契約当事者の責任ではない不可抗力的なカントリーリスク(非常危険)と破産手続き開始の決定や資金繰りの悪化など輸出契約などの相手の責任によるコマーシャルリスク(信用危険)です。貿易保険は、日本では、全額政府出資の株式会社「日本貿易保険」(NEXI)が対応しています。

尚、政府は12月23日に、日米関税合意で約束した約85兆円の対米投資の実現に向けて、交付国債を発行して日本貿易保険(NEXI)の財政基盤を強化する方針を決めました。交付国債の発行額は上限3兆円とし、このうち来年度の当初予算で1兆7800億円分を計上します。NEXIは対米投資に関わる民間金融機関から保険料を受け取り、融資保証を担います。ただ、投資が巨額になるほど、失敗した際に支払う保険金が膨らむ可能性があります。今の財務状態では、自力で保険金を支払えない恐れもあったからです。

PL保険は、製品の欠陥を原因として、使用者に身体上または財産上の損害を与えた場合、その製造物の製造者が法的な賠償責任を負う製造物責任(Product Liability)のリスクに対応する保険であり、損害保険会社が対応しています。

以上のように貿易取引に付きまとうさまざまなリスクに対して、長年にわたる工夫や研究を重ねて、リスクに対処する仕組みと方法を考え出してきました。

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