リレーコラム

2025.04.08

値上げは効果的

 <はじめに>
現在、あらゆる業界で値上げラッシュの状況となっています。私たちの支援先でも順調にコストアップを吸収して上手に値上げができ、過去最高益を計上するような企業も増えてきています。
一方、値上げができずに苦しんでいる企業も多数見受けられます。原材料や人件費などほとんどのコストが上昇するにもかかわらず、資産を削りながら事業を継続している状況です。今回、値上げについて改めて考えたいと思います。
<値上げは効果的なのか>
仮に赤字経営が続いていて経営を改善しようとした時、どのような方法を考えますか?コストダウンでしょうか、売上増でしょうか。コストダウンについては、赤字経営が続いている状況ではすでに限界にきていることが多く、また逆に仕入れや人件費などコスト上昇となっていることがほとんどだと思います。
では、売上高増による改善はどうでしょう。売上高を高めようとすると、売上高に応じてセールスのコストが増加します。また安売りをして売上高を増やしても利益率が下がり効果は半減しますし、特に変動比率の高い会社ではそもそも変動費のコストも上昇するので、効果が薄くなります。
値上げができると利益は劇的に大きく増えます。例えば5%の経常赤字の企業が、5%の値上げができれば出血はなくなりますし、仮に10%の値上げができればそのまま5%の経常黒字に逆転できます。
<値上げはできるのか>
値上げを実施しても、売上高が大きく減ってしまっては元も子もありません。
ライバルの状況、取引先の値上げ状況や経営状況、自社製品の重要性や市場の位置付けなど冷静に客観的に見つめ直す必要があると思います。
<客先にとって値上げは悪いことか>
先日、私の大好きだったラーメン屋さんが「原材料高騰により閉店します」との張り紙を残して閉店してしまいました。値上げをしてはお客さんに申し訳ないという判断だったのでしょう。しかし値段が高くなっても提供して欲しかったという顧客が数多くいたのではないのでしょうか。
今一度自社の製品やサービスが止まったら、客先はどのような被害を被るのか、自社が継続することの重要性について客先目線で判断することも必要だと思います。
<最後に>
値上げは簡単ではありません。社会がデフレの状況で何十年も値上げを実施してこなかった企業も多くあると思います。
わかってはいるけど、どのように値上げすればいいのか分からない、値上げをした時の効果が知りたいなど、経営コンサルタントとしてお手伝いができることが色々とあります。そのような時にはお気軽にお声がけを頂ければ幸いです。

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