米国ではトランプ氏が大統領に返り咲き、「米国第一主義」を掲げる「トランプ2.0」がスタートしました。就任後矢継ぎ早にだされる様々な方針に、「トランプ」の文字を見聞きしない日がないほどです。また、その方針も従来の枠組みや標準的な考え方と著しく異なったものが多く、あらためて、「不確実、不連続な時代」に突入したことを実感させられます。このような時代においては、「多くの人の意見を聞き、自分の頭で判断する」ことが、平時以上に経営者には求められることになってくるかと思います。
上記のような世界規模での話ではありませんが、私の仕事の7割以上の時間を費やしている「経営改善計画策定」においても、この2年ぐらいで潮目が変わってきています。一つの事業で収益力を向上させるためには、
◎固定費を下げる
◎変動費を下げて変動費率を抑制する
◎値上げを行う
◎販売数量を増やす
基本的にはこの4つのどれかしかありませんが、昨今の物価高や最低賃金上昇に伴う人件費の上昇により、従来のアプローチの中心であった「確実性が高く自助努力で実現可能」な費用面の改善だけでは、想定する収益を確保することが困難になってきています。そのため、この2年では「値上げ」をからめたアプローチもかなり重要になってきています。
スナック菓子の「うまい棒」は、1979年の発売当初から1本10円の価格を維持してきましたが、2022年に1本12円に、2024年には1本15円に値上げしています。40年以上価格を据え置いてきた商品ですら値上げが必要な状況になっています。
「値上げは特効薬」であり「値上げは劇薬」
この値上げによって「うまい棒」の販売数量がどのように変化をしたかはわかりませんが、一般的には、値上げを行った場合は販売数量が減少する可能性もあり、それによってかえって利益が減少してしまう可能性もあります。(「うまい棒」のような絶対価格が低く競争力の高い商品であれば数量への影響はさほど多くないと推測していますが…。)
世の中は、「値上げがあたりまえ」の時代に変化しています。自社商品に関し、値上げをするべきか、据え置くべきか、値上げをするならどれぐらいにするべきか…。これからこのような悩みを抱える経営者の方々が増えてくると思われます。結果はやってみないとわかりませんが、値上を行う時には、自社の収益構造を把握し、値上げによる販売数量の減少を織り込んで利益のシミュレーションを行っておくことも必要です。
弊社では、「収益力向上プロジェクト」として値上げの検討をサポートさせていただいております。ご興味がある方は、お気軽にお声がけください。