2024.12.10
最近、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化に対する取り組みを観察していると、従来の基幹システムの全面的なリプレースではなく、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を利用した業務処理の自動化や、ノーコード・ローコード開発ツール、さらにはBI(ビジネスインテリジェンス)ツールなどを活用した各セクションごとのシステム導入が、主流となっているように感じます。
このようなDXの方向性は、低コストかつ効率的に省力化を図りたいという企業管理者の意識の表れといえるでしょう。経済的な制約の中でいかに効率化できるかが、企業にとって重要なテーマとなっているのです。
また、最近では生成AIの急速な進化により、簡単なプログラミングやスクリプト言語での開発が、専門知識がない方でもある程度可能になりました。素人レベルであっても、生成AIの支援により、少々の手間でプロトタイプや試作ツールを作成できるようになったことで、新たなシステムやツールを開発するための敷居は確実に低くなっています。
しかし、手軽に開発できるからといって、目的や計画なしに安易にシステムを構築するのは避けるべきです。過度の開発はかえって無駄な時間を生み、業務の生産性を低下させてしまう恐れもあります。やはり、企業全体で目的意識を明確に持ち、計画的にDXを推進していくことが重要なのです。
このようなDXのツールや技術をうまく活用することで、従来は仕方ないと諦めていた、あるいは慣例化していたために課題として認識されていなかった作業に新たな視点がもたらされ、生産性向上が期待される場面も多く見受けられます。特に事務処理に関しては、まだまだ自動化できる余地が多く残されているのではないでしょうか。
また、DXにおいては、単にソフトウェアを使うだけでなく、IoTを利用した情報収集やビッグデータの分析と活用も大切です。BIツールを使用して可視化することで、たとえば従来膨大な時間がかかっていた会議資料の作成時間が大幅に短縮されるなど、業務の改善が見込まれます。
日本の中小企業の多くは、依然としてDXの取り組みが遅れているとされています。そうした企業が競争力を高めるためにも、「徹底的な自動化」を目標にDXの実行を進めていくことが求められているのではないでしょうか。
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