リレーコラム

2024.09.10

企業の“事業別損益”について

こんにちは。アルマ経営研究所の市と申します。当社に所属し、早10年が過ぎ、また、中小企業診断士になり5年が経過しようとしております。この間に外部環境は大きく変化し、特に2020年から蔓延した新型コロナ、ロシアのウクライナ侵攻、継続的且つ大幅な最低賃金の上昇により、企業の収益構造は大きく変化しております。

今回のコラムでは、企業の“事業別損益”について、お話ししたいと思います。

企業経営において、各事業・各製品のパフォーマンスを正確に捉えることは極めて重要です。そのための有力な手段の一つが事業(部門や製品)別損益の作成です。事業別損益とは、会社全体の損益計算書を複数の事業や製品、取引先などに分解し、それぞれの収益と費用を明確にし、単独の事業でどれだけ利益を生み出しているのかを把握するものです。

当たり前の話しですが、全ての事業の損益がプラスであれば、会社全体でもプラス(営業黒字)になります。

事業別損益を確認することで、経営者はそれぞれの事業の収益性が高いか・低いか、また、単独事業の長期的な推移を確認することで、外部環境の変化等に伴う収益性の変化を確認できます。会社全体や製品全体の数値を確認しても、どこに問題があるか不明ですが、個別事業の利益率が低下しているなどが確認できれば、改善の糸口にも繋がるのではないでしょうか。

冒頭に記載した通り、外部環境は大きく変わっています。例えば、岡山県の最低賃金は、10年前の2014年は719円でした。2024年は932円(29.6%アップ)であり、今年の10月にも50円程度のアップが計画されており、近年急速に上昇しています。また、ここ数年の資材等の高騰も、多くの企業経営に多大なインパクトを与えています。人件費や原価の大幅な上昇を企業努力だけでカバーするには不可能なレベルでありながら、値上げによるお客様の離反による受注量減少を危惧するあまり、なかなか値上げに踏み切れていない事業者もいます。しかし、長期的に利益が出にくい事業になっている場合、何もしなければ今後も赤字体質が継続、もしくはより悪くなる可能性が高いと思われます。

これからは、今まで以上に戦略的な“値上げ”の重要性が高まってくると思います。先ずは、現在どのような収益構造になっているのかを確認するために、事業別損益の作成を行ってはいかがでしょうか。

アルマ経営研究所へお声掛けいただければ、的確な収益構造の把握、赤字事業の目指す姿の設定、戦略的な値上げによるシミュレーションなどのサポートが可能です。
どうぞよろしくお願い致します。

コメント

コメントフォーム

不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。
適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。

お問い合わせ

Tel.086-225-3635

営業時間 9:00~17:00 定休日:土日祝

  1. ホーム
  2. リレーコラム
  3. 企業の“事業別損益”について
TOP