リレーコラム

2024.07.09

事業計画の作成はなぜ必要なのか?

今月のリレーコラムは、中小企業診断士の河本吉弘が担当します。

私共は日頃、事業計画作成のご支援をすることが多いのですが、今回は、あらためて「事業計画の作成はなぜ必要なのか?」についてお話します。

 「事業計画の作成」の目的は何なのでしょうか?

事業計画作成の目的は金融機関への融資依頼のため、補助金申請のためだけではありません。なによりも、社長ご自身にとって自社の経営にとって必要不可欠です。

 もし事業計画がなかったとしたらどうでしょうか? 

計画がなくても経営をしていくことはできるでしょう。しかし、「成り行き任せの経営では変化の中で漂流してしまうかもしれない・・・」「暗闇の中で前に進めなくなるかもしれない・・・」「猪突猛進ではリスクの高いところに飛び込んでしまうかもしれない・・・」等々、ネガティブなイメージが思い浮かびます。実際このような事例も多々見受けられます。

 「事業計画の作成」のメリットは何なのでしょうか?

 下記は経営革新計画で優秀賞を受賞した社長さんの声です。

  • 「会社の進むべき方向性を明文化でき、実践の糧とすることができた。」
  • 「自社の事業を客観的に見ることができ、課題や展望も具体的になってきた。」
  • 「日頃考えていることを文字にして、会社の進むべき方向性について従業員と良くコミュニケーションができるようになった。」
  • 「計画を策定する過程で多くの気づきが得られた。」等々。

 

 「事業計画の作成」の意義は何なのでしょうか?

計画とは、「事前にあらかじめ将来とるべき行動の案を練ってくこと」です。
「事業計画」とは、経営の現状からありたい姿に向けての道筋、ストーリー、設計図です。

第一の意義は、計画化の前提としての経営環境、その中のプラス要因とマイナス要因を事前によく考えることにあります。これにより、環境の変化を敏感に捉えることができ、対応する行動もスピーディーになります。

第二の意義は、どのような目標を達成しようかと考えることにあります。達成意欲は、はっきりした具体的目標のある方がわきやすい。また達成できたときの喜びもあります。

第三の意義は、その環境と目標のもとで、今、取らなければならない行動は何かの選択を迫られることにあります。目前の課題が自ずと浮かび上がります。ともすれば選択を先送りにしがちなのが人間の常とすれば、この意義は大きいです。

 

 計画は作ってもすぐに役立たなくなる?

現代のような変化の激しい時代には、変化にしなやかにスピーディーに対応していくことが求められます。その点においてPDCAは回し続けていくことが求められます。計画を策定し(Plan)、計画を実行し(Do)、結果を評価し(Check)、改善を実行する(Action)、そして計画を見直していく(Plan)ことが必要です。

経営において最も重要なのは「Do実行」です。「Plan計画」はその「Do行」のエネルギーをより強力に、より正しい方向に、より効果的なポイントに向けます。その結果、より良い、より大きな成果を得ることができます。

「事業計画の作成」は、経営の失敗リスクを圧倒的に減らし、成功の可能性を大きく高めることができます。より良き未来を実現していくためには必要不可欠であるといえるでしょう。

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