リレーコラム

2024.06.11

「新事業」 について

  今回はこれまでご相談が多かった「新事業」について、普段の業務の中で感じている事を書いてみたいと思います。
(1)新事業が必要な理由
私の日頃のコンサル業務や窓口相談等で、多かったのが「事業再構築補助金」を活用した新事業の相談でした。様々な業種の経営者の方から、新たな業種や事業形態へ進出の相談がありました。
最初に「なぜ新事業が必要か?」という事を考えていきたいと思います。 
①落ち込んだ業績を回復させるため
②既存市場が縮小し危機感を感じるため
③新市場にビジネスチャンスがあり会社をさらに成長させるため、など理由は様々です。
そこで業績の経緯を過去・現在・未来と切り口を分けて考えてみました。(好調↗ 普通→ 低調↘)
  • パターン1 過去↗ 現在→ 未来↘ 
    新しい商品やサービスが登場したり時代の変化により市場が縮小したりしている業界
    ➡規模縮小、あるいは関連多角化による新事業を検討
  • パターン2 過去→ 現在↘ 未来→
    コロナ、自然災害等の予期せぬ外部要因により業績が一時的に低迷
    ➡固定費削減に着手、資金調達し動向をしばらく注視
  • パターン3 過去↗ 現在↗ 未来↘
    開業以来、好調を維持しているが今後の不透明感が強い➡将来の売上減少に備えて、資金調達力があるうちに次の一手として新事業を検討する
  • パターン4 過去→ 現在↘ 未来↘
    近年は赤字が続いている
    ➡新事業のリスクが高い、資金調達が困難、既存事業の立て直しが急務
この中で本当に新事業をすべきと言えるのはパターン3で、パターン1の場合も検討すべきかもしれません。
パターン4の状態で新事業を検討されている方が多いと感じています。
「補助金があるのなら・・」というケースが多いですが、初期投資を抑えられるというだけの効果で、事業の継続において根本的な解決方法ではありません。
(2)既存事業の課題にしっかりと向き合う
新事業で得られる可能性のある売上・利益は、既存事業の改善によって得られる可能性もあります。しかも新事業をする場合と比較し、設備投資が不要であったり、固定費の増加が無かったりとより低リスクで実施できます。
 そのためには既存事業の課題にしっかりと向き合う事が大事だと考えています。「もう既存事業では売上や利益を伸ばす事は難しい」という事は理解できますが、コンサルタントの支援が有効な場合もあります。既存事業の業績向上に魔法のような策はありませんが、第3者の視点から新たな気づきがある事もあります。「販路開拓ができていない」「適正な価格への見直ができていない」などといった問題点はどうしても目を背けてしまいがちですが、経営者と一緒になって取り組む事で少しずつ前に進むお手伝いができると思います。
(3)おわりに
長くなってしまいましたが、VUCAと言われる時代において新事業の必要性は増しているとは思いますが、安易にブームに乗ってしまったり、商圏内の顧客ニーズの視点が弱かったり、従業員の協力を十分得られないまま新事業に着手したりといったケースも散見されます。
今の時代だからこそ、経営理念や経営ビジョン、創業時の想いなどの原点が大事だと感じています。
もちろん、どうしてもやりたい新事業があるという事業者の方の背中を押す支援も同様に大事だと考えております。
ぜひアルマ経営研究所までご相談下さい。

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