2022.07.12
参議院選挙が終わった昨今、みなさま元気にお過ごしでしょうか。
さて、選挙戦ではいろいろな論戦が繰り広げられておりましたが、今日は様々な場面で役立つ「シン論法」のご紹介をします。
突然ですが、「政府は人々の生活を経済的に豊かにすることができる」という命題について考えてみましょう。
ここで、はたして「豊か」を厳密に定義することなどできるのでしょうか。
定義できない単語をいくら追求したところで意味のある結論は出てきそうにありません。
このように定義が明確でない概念を用いて議論を進めても、そこで得られた結論について「そんなものは豊かさとは言えない」といった反論が始まると、「”真の”幸福とはなにか」という論争にってしまい、収拾がつかなくなります。これを、逆手(?)にとった作戦が、「シン論法」なのです!
この論法の活用例はこんな感じです。
例えば、自分が勤める会社の会議で、とあるAさんの提案する作業の効率化策が自分にとって損になる、または、Aさんを個人的に嫌いだという場合には、「そのような小手先の手法で改善が果たせても、はたして本当の意味での効率化と呼べるのだろうか」と渋い顔で批判すれば、頭を一切使わずに何となく反論「っぽい」発言が可能となります。そして、なにか「深く考えて、問題提起をした」感だけを醸成することも可能です。また、この「シン論法」は、話を聞いていなかったにもかかわらず、一言コメントを求められた場合などにもたいへん有効です。
このような「本当の○○は、」「真の××は、」という問いの設定は哲学的な響きがあるだけでなく、ちょっと賢そうにみえるため愛好家が非常に多いのです。私の感想ですが、役職が高く、世間的にきちんとしているといわれる方々に愛好家が多いような気がします。
このように「シン論法」は、決して勝負が付かないフィールドへ簡易領域を展開することで、必中効果をもたらします。相手が「真の、」とか「本当の、」とか使って、反証不可能な話を展開してきたら全力で領域外へ逃れることをお勧めします。
アルマ経営研究所 税理士 森末 英敬
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