リレーコラム

2022.05.10

「経営改善計画書」の必要性

令和4年1月からアルマ経営研究所の一員となりました、清板 敬貴(せいた ひろたか)と申します。
姓も名も読みにくいですが、それ故覚えていただきやすいのではないかと思います。ちなみに出身は、倉敷市児島唐琴で、「清板」という苗字は地元ではよく見かける苗字です。

さて、私は、大学卒業後、水島信用金庫に約15年間勤務し、信用金庫業務を通じて地元の中小事業者の方々に対して様々な支援を行ってまいりました。特に本部在籍時には取引先の本業支援を行う営業店のサポートをすべく、支店長や担当者との同行訪問による経営改善、事業承継、企業間マッチング等を行っていました。昨今、新型コロナウイルス感染症の影響により、地域の中小事業者は約2年間に渡り多大な影響を受けており、更に追い打ちをかける様に、ロシアによるウクライナ侵攻や物価高騰等、中小事業者の方々を取り巻く環境は一層厳しい状況となっています。

特に新型コロナウイルス感染症の影響に対する資金繰り支援対策として令和2年よりいわゆる「ゼロゼロ融資」が取扱い開始となり、各金融機関による貸し込み合戦が始まりました。この「ゼロゼロ融資」は1~2年の据え置きとしているケースが多く、既に返済が始まっている、もしくは近いうちに返済開始となる企業が多いと思います。返済開始となれば、予防的に余剰資金として借入している債務者区分「正常先」の企業は問題ありませんが、そうではない「その他要注意先」、あるいは「破綻懸念先」等においては死活問題となります。

この出口戦略を皆さんはどのようにお考えでしょうか?

昨年12月末まで信用金庫に身を置いていた立場からみれば、出口は「リスケ」あるいは「倒産」しかないように思います。皆さんにとっては既知のことと存じますが、「リスケ」を行うためには各取引金融機関の同意が必要となります。この同意を得るためのツールが、「経営改善計画書」です。今後、益々「経営改善計画書」の必要性が高まるとともに、計画策定時におけるより確度の高い企業の実態把握と目線合わせが重要になると思われます。

昨今、政府は金融機関に対して事業性評価や本業支援といった企業支援を行い、企業の成長を促し、企業に適切な金融支援を行う指導を行ってはいますが、なかなか定着していません。しかしながら、この取組みを適切に定着させていくことが実態把握や目線合わせを行う手段の一つとして良策ではないかと思います。

リスケによる単なる延命を行い、ゾンビ企業が量産されることは好ましくはないですが、出口戦略が、引継ぎ先無しの「倒産」となれば、従業員雇用が失われることとなり、地域経済にとってもっと好ましくないと考えます。

私としては、これまで培ったスキルをさらに高めていき、より確度の高い実態把握を行い、上手く企業と目線を合わせていくと同時に金融機関との目線合わせも行うことで、正味な「経営改善計画書」の策定支援を図っていきたいです。加えて、企業の悩みや課題をダイレクトにキャッチアップできる立場にある金融機関のサポートを行っていくことで、企業と金融機関双方の成長・発展の潤滑材になれればとも思っています。

また、経営改善の他、地域活性化のために、設備投資を促す補助金の申請支援も承ります。

新参者ではございますが、お手柔らかに引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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