2021.09.14
今月のリレーコラムはコンサルタントの中原が担当いたします。
だまし絵や錯図を知っていますか。同じ長さの線が、周囲の図形によってちがう長さに見える図です。『測ると同じ長さの線がどうしても違って見える。分かっていても騙される。見て感じている事が正しくない時に気づかされる。』化粧やファッションにも応用されているそうです。
また、間違った判断基準で判断する錯覚もあり、いわゆる認知バイアスがかかっている事です。
『周りの皆が「売れそう。欲しい。」というので売り出すと全く売れない。』知っている人のことを過大評価してしまうというバイアスがあるのです。こういう場合、いくらなら買うか尋ねると、類似商品と比較して評価されるので、大抵ひどく安くなります。
認知バイアスの罠を知らないと、ビジネスでは大きな失敗をすることがあります。
カクテルパーティー効果(選択的注意)と言うものがあります。賑やかなパーティで注目している人の声がよく聞こえる効果です。こんな事例があります。自分の見たいものが目立って見える錯覚です。「駅でタクシーに乗って自社の店名を言っても、いつも運転手は分からない。こんなに目立つ場所にあるのに知らないのはおかしいと思」うとのこと。客観的に見るために、動画で撮ってみるようにアドバイスしたところ、「再生して皆で見たら、自分の会社でも見落とした」そうです。周りにもっと目立つ店があったんです。店自体の知名度が上がらなければ売上は伸びません。
製造業で御社の強みは何と尋ねると、「技術力」をあげる社長が多くいらっしゃいます。しかし、顧客からは「あたりまえの技術と一蹴され」て、下手をするとビジネスを失うかもしれません。
ある本によると、「自分の運転が平均より上手だと思う人は手をあげてと言うと9割の人が手をあげる」そうです。平均的な人が6割とすると上手な人が2割くらいのはずです。錯覚している人がかなりいるようです。
人はそれぞれ認知バイアスを持ち、理性では解決できない錯覚をするものです。錯覚による失敗をしないためには、自分の試行のバイアスを知り、行動を振り返ることが必要かもしれません。「認知バイアス」に関する本や、「行動経済学」に関する本を読むと、自分の行動や発想が偏っている部分が分かるので、一読をお勧めしたいと思います。行動経済学での事例は、本当かなと思うものですが、実験から導かれている様で、私の実感と一致しています。
ちなみに、経営については経営コンサルタントが外部の目でアドバイスできます。
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